昭和40年06月05日 朝の御理解



 例えば宝石の様な物を人から頂いた場合、先ず一番に思う事は、これは果たしてほんとの物だろうかと言う事。見事なケースに入って、しかもその贈った人が、立派ないわゆるお金持ちさんで、そういうとこでもそのう、送った人又はそのケースの立派さで、こうほんなもんじゃろうと思う。中々分からん素人じゃ。
 それはダイヤでも本当のダイヤと、良い物と言うあのう素人では見分けが付かん。化粧をしておられる時には綺麗なんだけれども、もう化粧を落としておられる時にはもう見られんちゅう人がおるでしょうが。特にこの厚化粧なさる人達の場合なんかは、どうでしょうかね。化粧しておられる間は本当に綺麗なごとるある。青い灯赤い灯の下ででも見たら、もう余計美しかごとある。
 けどもんなら、そういう人達が、その明くる日風呂にでも行き御座ると見るとがっかりする様な場合がある。中々そこん所を見極めると言う事は、難しいんだけれども、本当の物をです、例えばその、宝石なら宝石を送られて、そしてこれは本当のもんじゃろうか、本当の物じゃない偽物じゃなかろうかと。例えばです、本当の物は何とはなしに、段々よくなって来るですね。
 ただこれが例えば人間の場合なんかなら、あの人は人間が立派だと。地位も名誉も例えばスタイルもタイプも見事だと、容姿はとても中々堂々として、とこう言うんですけれどですね。段々会うていおるたんびにそのう、その人の垢と言うかなんか嫌になって来る人がおる。会うた時それ程でもないけれどもです、会うて行きよれば行く程なんとはなしに良い物がある。
 なんともなしに見飽きがしない。付き合い飽きがしない。嫌どころか段々良くなって行く。こんなのが本当な物。いわゆる、心にいい物が本当に交流する。ほんとの事を分かると言う事は、例えば宝石かなんかだったら、それは専門家がおりますから、まあ例えば科学的にでも見れば分かるんだけれども、人間ばっかはそうはいかん。科学的に見るだけではいかん。タイプやらスタイルだけでというの訳にもいけん。
 けれどもです、なんとはなしに付き合えば付き合う程、味の出て来るという人がある。お互いもそう言う様な、人物にならにゃあいかん。ほんとの事が分かっちょるのは神様だけなんです。皆さんいよいよ、ご心配を頂いとりました、事で御座いましょう。お祈り沿え下さっておったと思いますが、昨日がここのご造営の、建築屋さんの、選考日であった。昨日は決定日であった。
 もう昨日は、委員長の秋永先生朝から見えとりましたが、その次々と業者の方達が見える「どんな風になったでしょうか。どうでしょうか」と言うてですね。皆さんの対応で昨日は四日会でしたけれど、その四日会出来んようなありさまでした。まあ、委員長がおられんからと言うて、もうあっちこっち探し回って答えて見えるんですね。電話で。もうほんとに私は、皆さんがその、椛目のご造営と言う事でしてあれだけ熱意を持っておって下さったと言う事に、ほんとに感謝致します。
 もう本当に神様に、有り難い事だなあと思わしてもろうた。しかもです、あれの、例えば入札を終わられたその後にです。椛目の事を聞かれて、「どうでもこうでも椛目のご造営だけは俺の社で、俺の組でやりたい」と言うその意欲が、出来て来たらしいんですね。そんな事があってはならない様な立派な、例えば大きな、そのう、建築屋さんなんかを有名な建築屋さんが何件も、中に入っておられましたがです。
 それこそ電話でですね、「あの見積書から何百万円引きますから、どうぞ是非自分所でさしてくれ」と。「もう住所全部、全部いらん」と言うて電話掛って来た様な所もあったんです。どんなに考えてもですね、そういう立派なそのう、会社なんかの場合なんかは(?)掛けても自分の入札しておるのに、引くなんてなんて事は言えない筈の所がですね、唯、問題はあの椛目の為の、椛目のご造営であるからと言う事が焦点だったらしいんですよ。そして例えば様々な建築が沢山してもです。
 金光様の、お広前を、しかもこうして、恐らく出来上がったら九州一だろうと言われる様なです、それを例えて言う事はもう、後にも先にもないかも知れんから、もう金銭じゃないからどうでもこうでもやらしてくれと言った様な、色々電話や実際ここに見えてからの、その交渉が委員長にあってましてんですよ。けれども肝心要の所は、夕べですよね。いわゆる総代関係の部長さん達が先程三十名から集まっておられました。
 いよいよ。ほいであの熱心に討議されました。検討されました。文男さんがその為に全部で10社から来ておりましたから、その10社の全部を例えばあれだけの事をするには、やっぱり十万から掛るそうです。あのこっちは、出される準備をなさるのにです。それだけの事もかけて、その中には簡単な事で出しておられる所もあったんですけれどもです。そう言う様な例えば、大掛かりな事をですね。
 そのう、どうでもこうでも自分とこにやらしてくれ、と言う様な意欲があるからこそ、そのなさっておられるのだから、簡単な事であんた方ダメじゃった、と言う訳にはじゃいけんと私は思う。良か悪かは別として全部、検討してみなさい。内容をその検討が昨日はもう、心揺れるもの、とに角何十時間掛っておられるでしょう古屋さん、あれだけの事全部検討してから、大きな紙に一覧表を作って見えとられました。それをまた昨日はここで検討なされました。十一時ごろまで掛りましたでしょうか。
 そしてあのう結局、熊本の井上組と言う所に皆がここがよかろう、と言う事になった。私は神様に頂いておった三つの条件に、二つだけ完全に当てはまる訳なのですよ。一つは当てはまっても当てはまらないと言った様なのが色々ある訳なのですよね。例えばもう値段が安いと言ったような事なんかは、それは熊本組よりも、もうそれよりも二つも安いのがあったんです。
 けれども一番肝心内容の肝心要の所の二つにそのものは、なかったんです。もうその辺の事は、又あのうよく本当に成程神乍な事であるな、神様のお働きであるなと分かる様な事で昨日はもう、でしたけれどですね。その三つのです、一番最後のそれまでです、完全に井上組に揃うておった事が、もう一瞬にして決まった事なんです。もうこれなんかはもう私、委員長もその雰囲気と言うかですね。
 とに角唯々恐れ入ってしまいましたです。丁度皆様がなさった、私もう御祈念終わってからこちらに下がった。古屋さんがあのお寿司を持って来ちょったけ、そのもう遅いからですね、お夜食一つ上がりなさいちゅうて、こう寿司を開けた所が、三人分のお箸が入っとるからこれは三人で頂かんならんじゃると言うて、丁度井上さんとそこの運転手さんが見えておりましたから、その三人で頂いて、頂き終わっとる所へそのう、委員長が一覧表を持って参りました。
 勿論これはだから業者じゃ見せられない一覧表なんですねいうならば、もう赤裸々な事が書いてあるのですから、でこれはこんなのですからと言った、それで井上さんがすぐんなら、あのう、失礼されてですね、すぐその事の場を立たせて頂こうと言われる。で、私立たんでええですがて言うて、もうここのは何もかにもがもうそのう、却って何遍かあたって頂いた方がいいですが、ちゅうた。
 と言うて私と委員長の話をここで聞いておられる。だから、一っつも全部芝居らしくない訳なんです。それでもうそれもその場でですたいね。井上さん、今まで私が色々話しておった事が、今の委員長の事で分かったでしょう。まあ実を言うとお宅も、お宅がね二つのそのそれを握っとるんで、最後のいよいよ近所の点で、そのお宅にあれがいかんのですよ、とこう言う事だった。それがですね、あのう「親先生、あなたがそれをやれと仰るなら、私やります」と言わっしゃった。だって何も検討せんなりで。
 と云う訳で何百万の開きがあるとですよ。そして秋永先生がそこで例えばまあ言うてはならない事を言おうとしておる所へ、二階からですね「ちょっと秋永先生」ち言うて、呼んで来たですから、又私と二人だけになったんです。それで私その、井上さんに申します事にね。私が「井上さんどうぞお願いします」と言う訳にもいかんて私が、私も、私のとこの総代からも今度、あなたがこうして一生懸命やって見えられる間です、なんとはなしにあなたの人柄、柄に惹かれておると。
 私もそれを感ずると。あなたもこの、来られるたんびんに、この御理解を頂き、御祈念をされて、信心の何かと言う事を段々分かって行かれてですたい。始めでは左程にもなかったんだけれども、ようよう意欲を燃やして頂き、頂いておると言う事がよく分かる。そしてこれはどんなもんだろうか、言うならお道でここんところは「あいよかけよ」と言うがです。神様は氏子のおかげでと仰り、氏子はいいえ神様のおかげでと仰り、そこからよいものが生まれて来る様にです。
 どうでもこうでも、それでよいからやらして下さいと言う事になり、それならどうでもこうでも井上さんお願いしますよと言うて、両方から手の鳴る様なおかげをどうでも頂けたら「そうです。それでします」と言う事一言で決まった。もうそれまでに言わば、もめにもめる様な事もあったけれどもゆうにその何時間をですね、そしてもうとに角もうとに角高かったちゃよかけん、井上さんに頼もうと言う腹になっとったんです話は。絶対そうだとあとから聞きました。
 まあその辺の事をです、いわゆる、神乍な働きの所の具合をお話するとまだなんですけれども、私はです今日の御理解皆さん聞いて下さってから、思うんです。大体分かって頂きたいと言う事はですね。私共には分からん、ほんな事は。今日でも本当にこの井上さんと言う人はですね、あのうけしょうも非常によいけれども、そのても素晴らしい方だと言う事です。皆はそれを言うておる。
 もうほんなもんか、ほんなもんじゃないかもこの人わからんです。言わば、あの変なケースに入った宝石の様な物なんです。その宝石も「はあ、これはダイヤじゃな」とこう、言うだけの事であってほんとそれは分からんです。けどもそれは思うておる内にです。向こうの段々そのう、惚れ込み具合が深うなって来たらでっす。こちらも段々向こうの人柄に惹かれるものがあってです。
 あいよかけよの様な、そう言う様な意味あいにおいての働きになって来たと言う事なんですけれども、それとても、段々またグラリとして来るかそれは分からん。唯神様だけが結局、本当のもんか本当なもんでないか審議の程は、神様でなからにゃお分かりならんのですけれども、是からも例えば、私を始め総代を幹部を始めです、成程成程とこの人達の為ならばもうとに角金光教と言った様な、そげな事は分からん筈なのですから、結局あの椛目のて言う事なんですね。
 椛目の皆さんの為に、私は奉仕させて頂くと言う事を今の二階が言うておられます。所謂神様のそうした、椛目の神様のために御用さして頂く、と言う様な事を言われるんです。だから皆さんもどうぞ、そのう皆さんのお家を建てられる積りでです、一緒に協力をさせて頂きます様にと言う様な事で、まあ言うならめでたく昨日、その話が、決定致しました。まあその中からです、お互いがそんな場合が御座います。
 これはほんなもんじゃろうかほんなもんじゃないだろうかと言う所です。現在は。けれども、そこんところから言うなら、段々こう、ある事を重ねて行きよる内にです、例えば、もうこの人の為なら損したっちゃよかと言う気持ちが出来て来た事です。向こうの方としては。こちらの方としてはです、言わばその条件の一つである所のです、もう高か安かはなか、高かったっちゃその人に頼むと言う様な物がこちらの方も、全体の中に出来た来た事です。だからこれが本当にこの私、教組の事をですね。
 またお礼申さして頂きよりましたら、見事なあの熊本象嵌くまもとぞうがんと言うて、熊本だけにしか出来ない、あのうこのあれがあるんです。この頃あの菊栄会の方達が皆バッチの様にしてはめてるあれなんですよ。それももう見事な何かブローチの様な感じでですね、熊本象嵌なんですよそれを頂くです。ですからこれはもう熊本独特の物であり、それも技術者なんかが、もう無くなって行きよるらしいですけれどね。
 そのう熊本象嵌のそれを頂くんです。これはもう熊本独特の物。これは熊本の有名な人じゃなきゃ出来ない様な物。そげな物を持っておられるんじゃなかろうか、と言った様な事を私は感じたんです。話を聞けば、成程そうではなかろうか、とそれ思う事があるんです。向こうもう赤裸々のお話でしたけれどもね。本当にこれは椛目のご造営を境に、私の方も何か新しい息吹がね。
 う実にあの一緒に着いて来とる方が言っておりました。椛目に通う様になってから、もうとに角その、全然雰囲気が変わってしまったと言う事、あちらのお店が。「そしてやるぞ」と言うその何かがこう、燃え立っておると言う事なんです。ですからこのご造営を境にです、恐らく私の方がもう三代続いておる建築屋さんだそうです。もう先代なんかはですね、もう材木の事に限っては神様と言われたそうです。
 その先代に私は鍛えられたと言う事なんですがね。これはもう、熊本象嵌が熊本でなからなければ出来ない独特な物である様にです、熊本の井上さん、井上組でなからなければ出来ない独特の物がある、と言う意味の事ではなかろうかと言う風に感じたんですけれどもね。いよいよそうでなからなければならん。いよいよ始めに、お互い向こうに見込まれてからですたい。椛目に打ち込んでよかった。
 椛目もまた井上さんにお願いしてよかったと言った様なものがです、これからおかげを頂いて行かなければならんと思いますから、より一段その、ご信心を本当な物にですね、して行かなければならん。いわゆる、椛目の信心こそほんなもんと、まあ、思いだけででもほんなもんにならにゃいけんと。そう言う様な事で御座いましたから報告方々、今朝も御理解を頂きました。おかげを頂きます様に。
   どうぞ。